斎藤幸平の『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』です。 2021年の新書大賞を受賞した話題の本です。 そんなわけで、手に取ってみました。 久しぶりに読む経済関連の本ですが、いまさらマルクスに類した本を読むとは思いもよりませんでした。 情報量が多く、一気読みという訳にはいきませんでしたが、決して難しいことが書かれているわ...
ノンフィクションの記事一覧
ブレイディみかこの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です。 話題になっていたことは知っていましたが、いまさらながらという感じで読んでみました。 基本、英国での生活や日常が女性の視点と親しみやすい筆致で描かれ読みやすかったです。 夫を配偶者と書き、自分をかあちゃんと書き、自分の父をじいちゃんと書く。 このあた...
磯田道史の『無私の日本人』である。 本作は穀田屋十三郎たち、中根東里、大田垣蓮月という人物たちの生きざまを描いた三部の評伝で成っている。 いずれも苛烈なまでの慈恵の心を持った清廉な市井の人たちである。 ノンフィクションではあるが小説のようにも描かれ、その語り口は、司馬遼太郎とも似ている。 そういえば、司馬遼太郎は日本が...
高野秀行・清水克行の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』である。 世界の辺境を旅するノンフィクションライターと室町時代を研究する学者の二人による対談集。 高野秀行は早稲田大学の...
國重惇史の『住友銀行秘史』である。発売から1週間で10万部を突破したという話題もあり手に取ってみた。 本の扉を開き、最初のページで登場するのが主要登場人物一覧である。 住友銀行のすべての登場人物の役職...
菅野完の『日本会議の研究』である。およそ十日ほど前に、この本が日本会議という団体から出版停止を求められたというニュースがネット上で話題になった。 なんでも本の内容に事実誤認があるとのことだ。...
川内有緒という30代、女性フリーライターの手による『パリの国連で夢を食う。』というエッセーである。 これが面白かった。 著者は日大芸術学部出身でアメリカのジョージタウン大学に留学、その後、アメリカのコ...
著、編は岩手県知事を3期務め、その後、総務大臣に就任した経歴を持つ増田寛也。 この本のベースになったのは政策提言機関である「日本創成制会議」のもとに「人口減少問題検討分科会」が2014年5月に発表した...
門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』である。 福島の原発事故関連の本は他にもいくつか読んでみたが、吉田所長を始め、事故当時、原発で働いていた人間たちにスポットライトを当てたノンフィクションは他には、あまりないのではなかろうか? 当時、彼らは危機的な状況でも現場に残り、事故の収束に向けて尽力した...
福岡伸一と阿川佐和子の対談集、『センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~』です。 福岡伸一と阿川佐和子という組み合わせにやや唐突な感じを受けたが、硬軟おりまぜた、なかなか、よい対談集だ。 全体に福岡伸一がこれまで書いた本のおさらいと言った感じがしないでもないが、中学生や高校生が手にするにはオススメ...
内田樹の『最終講義-生き延びるための六講』です。 著者が教鞭をとった、神戸女学院大学での最後の講義を含む、六つの講演をまとめたもの。 講演ゆえにか「そこまで言って、いいんかい?」といった内容もなかにあるが、主張自体は押し付けがましいものではない。 教育に関する考え方や、生きる(学ぶ)ためには何が大切かといった彼の考えは...
養老孟司の『いちばん大事なこと ― 養老教授の環境論』である。 『バカの壁』がベストセラーになった養老先生の環境論。 養老孟司はそもそも解剖学が専門。 その彼が、なぜ環境論なのだろう。 養老先生の趣味は昆虫採集。 昆虫採集をしていると自然や環境のことが肌身で感じられ憂慮せざるをえず、言わずにはいられなくなったということ...
マイケル・ブースの『英国一家、日本を食べる』である。 県立図書館から借りた一冊。 食べ物のことを書いた本は、いつ読んでも面白い。 著者はイギリス人のトラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。 パリ...
1 2