歴史・時代小説 『雄気堂々』城山三郎 城山三郎の『雄気堂々』です。 今年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公、渋沢栄一を描いた歴史小説。 令和6年に発行予定の新一万円札の肖像にも選ばれた実業家です。 渋沢栄一の名前を初めて知ったのは、三十年ぐらい前に読んだ荒俣宏の『帝都物語』だったと思います。 確か関東大震災後の帝都、東京を設計し復興させた人物として登... 2021年3月8日 十六夜亭
ノンフィクション新書 『人新世の「資本論」』斎藤幸平 斎藤幸平の『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』です。 2021年の新書大賞を受賞した話題の本です。 そんなわけで、手に取ってみました。 久しぶりに読む経済関連の本ですが、いまさらマルクスに類した本を読むとは思いもよりませんでした。 情報量が多く、一気読みという訳にはいきませんでしたが、決して難しいことが書かれているわ... 2021年2月21日 十六夜亭
小説 『ゴールデン街コーリング』馳星周 馳星周(はせ せいしゅう)の『ゴールデン街コーリング』です。 作者の自伝的といってもいい、ちょっと緩めの青春小説。 まぁ、個性的な人達や街に揉まれて逞しくなっていく主人公の数年間を描いたほろ苦い物語といったところでしょうか。 サイドストーリーを盛り込みすぎて本筋の印象が薄くなってしまったのが残念。 いったい、どのぐらい... 2020年12月6日 十六夜亭
SF 『金色機械』恒川光太郎 恒川光太郎(つねかわこうたろう)の『金色機械』です。 初めて読む作家の小説です。 図書館で『金色機械』という、摩訶不思議なタイトルが目にとまり、パラパラめくってみたら時代小説のような内容だったので、“機械と時代小説”というギャップにひかれ借りてみました。 アイディアが秀逸で、なかなか、面白かったです。 時間軸が過去へさ... 2020年11月3日 十六夜亭
ノンフィクション 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ ブレイディみかこの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です。 話題になっていたことは知っていましたが、いまさらながらという感じで読んでみました。 基本、英国での生活や日常が女性の視点と親しみやすい筆致で描かれ読みやすかったです。 夫を配偶者と書き、自分をかあちゃんと書き、自分の父をじいちゃんと書く。 このあた... 2020年10月18日 十六夜亭
歴史・時代小説飯嶋和一 『黄金旅風』飯嶋和一 だいぶ昔に読んだ作品だが、飯嶋和一の『黄金旅風』である。 図書館で借りて読んだ本を、改めて購入した本というのは、それほど多くないのだが本作は「この本はちゃんと買って、持っていた方がいいな」と思い、改めて本屋さんで購入した。 そのぐらい、本作を読み終えたときは「いい小説だな」と思った。 以来、信者とまではいかないが飯島和... 2020年9月26日 十六夜亭
小説村上春樹短編集 『一人称単数』村上春樹 村上春樹の『一人称単数』です。 6年ぶりの短編集だそうです。 個人的には「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」と「品川猿」という作品あたりが好きかな。 以下、収められている作品の感想を簡単に…。 石のまくらに 作中でその昔、主人公と寝たという若い女性の短歌がいくつか紹介されている。 決してうまいと... 2020年9月7日 十六夜亭
ミステリードン・ウィンズロウ 『ザ・ボーダー』ドン・ウィンズウロウ ドン・ウィンズウロウの『ザ・ボーダー』です。 翻訳は田口俊樹。 なんか、もう「スゴイ」としかいいようがない。 クライムノベルの枠を超えた壮大な人間ドラマに仕上がっている。 読み終えて、やはり、ドン・ウィンズウロウは現在のミステリーの最高峰だと再認識。 本書は主人公である麻薬捜査官のアート・ケラーとメキシコの麻薬カルテル... 2020年8月9日 十六夜亭
小説 『淳子のてっぺん』唯川恵 唯川恵の『淳子のてっぺん』です。 女性で世界で初めてエベレストの登頂に成功した登山家、田部井淳子をモデルにした小説。 田部井淳子はテレビやラジオなどメディアにも時々、登場していたので、その優しそうな笑顔や声は記憶にある。 このオバちゃんが女性として世界で初めてエベレストに登ったのかというぼんやりとしたイメージはあった。... 2020年7月11日 十六夜亭
歴史・時代小説 『親鸞』五木寛之 五木寛之の『親鸞』です。 五木寛之のエッセーや小説は自分が高校生の頃、随分、読み漁りました。 当時は、ちょっとした五木寛之ブームみたいなものもあったと思います。 映画にもなった『戒厳令の夜』は、今、思い返しても傑作でした。 著者の作品を最後に読んだのは、いつ頃だったろう。 そのぐらい久しぶりに読む、五木寛之作品。 親鸞... 2020年6月10日 十六夜亭
ミステリー奥田英朗 『オリンピックの身代金』奥田英朗 奥田英朗の『オリンピックの身代金』です。 2009年の第43回吉川英治文学賞を受賞した社会派ミステリー。 2段組みで500ページを超えるという大作。 本作の前に読み終えたのが、奥田英朗の『罪の轍』。 『罪の轍』を読み終えて、これは傑作だと感激してるうちに、以前購入した『オリンピックの身代金』がどっかに積読になってるはず... 2020年5月9日 十六夜亭
ミステリー傑作奥田英朗 『罪の轍』奥田英朗 奥田英朗の『罪の轍(わだち)』です。 多くの警察モノのミステリーを読みましたが、これはまぎれもない傑作。 おススメです。 これまでも著者の小説は、ずいぶん読んでいますが、読むたびに「上手いなぁ」と思います。 ちなみに、本書のモチーフとなっているのは1963年に東京都台東区で実際に起こった「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐殺人... 2020年5月5日 十六夜亭
エッセー村上春樹 『猫を棄てる』村上春樹 村上春樹の『猫を棄てる 父親について語るとき』です。 文藝春秋の2019年6月号に掲載されたエッセイを本にまとめたもの。 文藝春秋に掲載された当時、図書館でチラ読みしましたが、改めて読んでみました。 これ自体、挿絵のページが多かったりする100ページほどの小さなもので、さっくりと読めてしまいます。 内容は著者の生い立ち... 2020年4月29日 十六夜亭