直木賞の記事一覧
佐藤究の『テスカトリポカ』です。 第165回直木賞、第34回山本周五郎賞を受賞。 直木賞の選考では暴力シーンが残虐で賞にそぐわないとの激論があったとか。 小生はドン・ウィンズロウの『犬の力』シリーズで麻薬カルテルの暴力的なシーンには免疫ができていたので、さほど、ショックは受けなかった。 それでも作中に登場した「粉」とい...
恩田陸の『蜜蜂と遠雷』である。 結構なヴォリュームの作品だがぐいぐいと一気に読んでしまった。 こんなに、作品に引き込まれて読んでしまったのは久しぶりである。 場面への導き方が抜群に上手い。 こんなに上手いと著者自身の手のひらで踊らされている感がして自己嫌悪に陥る、そこがいやになる。 物語は吉ケ江国際ピアノコンクールとい...
佐藤正午の『月の満ち欠け』である。2017年の第157回直木賞受賞作。昨年、読んだ著者の『鳩の撃退法』という小説が妙に印象に残っていたところに、本作で直木賞を受賞したとのニュース。...
西加奈子の『サラバ!』である。 2015年本屋大賞第2位。そして今年、1月の第152回直木賞の受賞作。 そんな訳で、ずっと読みたかったのだがいつも行く町の図書館でラッキーにも発見。 上下2巻であわせて...
三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』である。 本作は第135回直木賞を受賞。 一言でいうならオフビートな男二人の友情物語である。 舞台はまほろ市という東京の町田市をモデルにした街。 駅前で便利屋を営む多田とそこに居候を決め込む高校時代の同級生、行天(珍しい苗字)。 便利屋に舞い込む様々な依頼から物語は展開。 狙っている...
最近、いいなと思う作家の一人が中島京子です。 日常の何気ないことを、過不足のない文章でさらりと描いているのですが職人的なうまさを感じます。 物語の舞台は戦前から戦後にかけての東京の山の手にあるお洒落な...
終日、山形市にある県立図書館で過ごす。 昼食後、図書館にもどり奥田英朗「空中ブランコ」(文芸春秋)を一気に読了。 「軽妙洒脱」という四文字熟語があるが、まさにそんな感じ。 異なる章ごとに、跳べなくなっ...