小説 直木賞 『地図と拳』小川哲 およそ、日本の小説を超越しているような感じの作品である。 文章のみならず登場人物のキャラクターや物語の構成、プロットと作品を形づくるたくさんの要素が乾いていて冷徹である。 そこには登場人物たちの生々しい息遣いや熱い体温のようなものは、あまり感じられない。 そういう意味では、決して面白い小説という感はないが退屈という訳で... 2023年11月3日 十六夜亭
歴史・時代小説 直木賞 『黒牢城』米澤穂信 米澤穂信(ほのぶ)の『黒牢城(こくろうじょう)』です。 2022年の第166回直木賞、第12回山田風太郎賞を受賞。 他にも、『ミステリが読みたい!』、『週刊文春ミステリーベスト10』、『このミステリーがすごい!』、『2022本格ミステリ・ベスト10』の国内部門で1位に選ばれたという、輝かしい作品です。 作者の米澤穂信と... 2022年2月23日 十六夜亭
ミステリー 直木賞 『テスカトリポカ』佐藤究 佐藤究の『テスカトリポカ』です。 第165回直木賞、第34回山本周五郎賞を受賞。 直木賞の選考では暴力シーンが残虐で賞にそぐわないとの激論があったとか。 小生はドン・ウィンズロウの『犬の力』シリーズで麻薬カルテルの暴力的なシーンには免疫ができていたので、さほど、ショックは受けなかった。 それでも作中に登場した「粉」とい... 2021年11月6日 十六夜亭
小説 直木賞 『宝島』真藤順丈 真藤順丈(しんどう じゅんじょう)の『宝島』です。 2018年に山田風太郎賞、2019年に第160回直木三十五賞を受賞しました。 書き出しから飛ばしてるなぁという風で、すごく、エネルギッシュ。 熱量の高い小説です。 文章も饒舌で濃密。 直木賞を受賞しているのでエンターテイメントなのかもしれませんが純文学ともいえるような... 2020年2月5日 十六夜亭
小説 直木賞本屋大賞 『蜜蜂と遠雷』恩田陸 恩田陸の『蜜蜂と遠雷』である。 結構なヴォリュームの作品だがぐいぐいと一気に読んでしまった。 こんなに、作品に引き込まれて読んでしまったのは久しぶりである。 場面への導き方が抜群に上手い。 こんなに上手いと著者自身の手のひらで踊らされている感がして自己嫌悪に陥る、そこがいやになる。 物語は吉ケ江国際ピアノコンクールとい... 2018年4月5日 十六夜亭
小説 直木賞佐藤正午 『月の満ち欠け』佐藤正午 佐藤正午の『月の満ち欠け』である。2017年の第157回直木賞受賞作。昨年、読んだ著者の『鳩の撃退法』という小説が妙に印象に残っていたところに、本作で直木賞を受賞したとのニュース。... 2018年2月17日 十六夜亭
小説 直木賞 『流』東山彰良 第153回直木三十五賞受賞作。 東山彰良の『流(りゅう)』である。 直木賞受賞作ではあるが、純文学としての要素も十分ある。 まず、文章がよい。 荒っぽいことも描いていいるが、文章がよいから下品になって... 2016年4月17日 十六夜亭
小説 直木賞 『サラバ!』西加奈子 西加奈子の『サラバ!』である。 2015年本屋大賞第2位。そして今年、1月の第152回直木賞の受賞作。 そんな訳で、ずっと読みたかったのだがいつも行く町の図書館でラッキーにも発見。 上下2巻であわせて... 2015年8月9日 十六夜亭
ミステリー 直木賞黒川博行 『破門』黒川博行 黒川博行『破門』を一気に読了。 本作はつい先日、第151回直木賞を受賞した。 賞をとるだけあって、最近、読んだ小説の中では飛び抜けて面白かった。 タイトルだけ見ると、ちょっと堅い小説なのかと思ったが、まるで正反対のエンターテイメント。 リーダービリティも高く、一気に物語に引き込まれた。 オモロイ! ワロタ! 内容は大阪... 2014年8月16日 十六夜亭
小説 直木賞 『まほろ駅前多田便利軒』三浦しをん 三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』である。 本作は第135回直木賞を受賞。 一言でいうならオフビートな男二人の友情物語である。 舞台はまほろ市という東京の町田市をモデルにした街。 駅前で便利屋を営む多田とそこに居候を決め込む高校時代の同級生、行天(珍しい苗字)。 便利屋に舞い込む様々な依頼から物語は展開。 狙っている... 2011年9月20日 十六夜亭
小説 傑作直木賞 『小さいおうち』中島京子 最近、いいなと思う作家の一人が中島京子です。 日常の何気ないことを、過不足のない文章でさらりと描いているのですが職人的なうまさを感じます。 物語の舞台は戦前から戦後にかけての東京の山の手にあるお洒落な... 2011年8月28日 十六夜亭
小説 傑作直木賞 『悼む人』天童荒太 小説のもつ力を感じる作品天童荒太の『悼む人』です。 最近読んだ小説のなかでは、もっとも小説の持つチカラというものを感じた作品です。 イヤハヤ、何と言うか、いろいろと考えさせられます。 人の死、人を愛す... 2009年1月25日 十六夜亭
小説 直木賞 『空中ブランコ』奥田英朗 終日、山形市にある県立図書館で過ごす。 昼食後、図書館にもどり奥田英朗「空中ブランコ」(文芸春秋)を一気に読了。 「軽妙洒脱」という四文字熟語があるが、まさにそんな感じ。 異なる章ごとに、跳べなくなっ... 2005年1月22日 十六夜亭