黒川博行『疫病神』
黒川博行『疫病神』
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黒川博行の『疫病神』である。
『疫病神』シリーズの第一作。
最近の『疫病神』シリーズを知っている身からすれば、主人公の二宮とやくざの桑原との丁々発止のやり取りが少なく、やや物足りない。
しかし、これは第一作ということもあり、仕方のないところ。
これだけを読んで、本作以降のシリーズを読まないのはもったいない。

物語は建設コンサルタントである二宮が初登場ということもあり、本業筋の産廃処理場建設を巡る利権争いがモチーフとなる。
話はなかなか込み入っているのだが登場するのは、相変わらず悪い奴らばかりだ。
利権に群がるゼネコンや政治家、そして、いくつもの暴力団の組織。
産業廃棄物処理場については、建設に反対した市民や自治体の首長が襲われたり圧力を受けたりして社会問題化したこともあったが、著者が描く作品は、その時々で社会問題となっているテーマをモチーフにしたものが多いような気がする。

読み始める前は、本シリーズの最近の作品より完成度は低いかなと予感していたが、今後の二人の関係を期待させるような萌芽もある。
思っていたよりは完成されていた。

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