『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』五十嵐貴久
五十嵐貴久『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』
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五十嵐貴久の『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』です。
いやー、40過ぎのオジさんにはささる小説でした。
山形市立図書館から借りました。
休日に読むにはちょうどよい小説です。
文章も軽快でスイスイ読めます。
本を読むのは決して速くないですが、それでも3時間ぐらいで読了しました。
タイトルにある「スモーク・オン・ザ・ウォーター」とは、ディープ・パープルというイギリスのハードロックバンドが1972年に発表した名盤『マシン・ヘッド』に収録されたハードロックのアンセムともいえる楽曲のこと。
イントロのギターリフを聞けば「ああ、あれね」と、誰もがわかるようなハードロックの定番ですね。

舞台は1995年。
阪神大震災やオウム真理教の事件があった年です。
コンビニエンスストアでアルバイトをする普通の主婦が友人やひょうんなことで知り合った中年の女性たちと四人でバンドを始めチャリティーライブに出演するという、あるといえばあるような、ないといえばないような物語です。
もっとも普通の主婦がと書きましたが、40歳過ぎのオバさん4人でバンドを組みディープパープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』をコピーするというのはある意味、普通でないのかもしれません。
登場人物のオバさんたちのキャラクターが立っている上に、脇役の男どもたちも個性的な面々で、かなり笑えます。
主人公のオバさんがチャリティーライブに出演することで息子と揉めるシーンがあるのですが、そこで彼女のダンナが自分の息子に向かって言うセリフには泣けます。
ちょっと、感動します。
テレビでドラマにすればいいのにと思います。

ちなみに、『スモーク・オン・ザ・ウォーター』をまるっきりの素人が三ヶ月でコピーしてステージに立つというのは、モノスゴイことだとリアルに思います。
しかも主人公のパートはギターとヴォーカルですよ!
思い返せば、高校2年のときにTOKAIのストラトキャスターを購入して初めてコピーした曲は『スモーク・オン・ザ・ウォーター』でした。
イントロの印象的なギターのリフはともかく、ソロのところは、そう簡単に弾きこなせるものではありません。

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