司馬遼太郎『項羽と劉邦』
司馬遼太郎『項羽と劉邦』
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司馬遼太郎の『項羽と劉邦』である。
むかし途中まで読んで、なかなか乗りきれずフェードアウトしてしまったので、再チャレンジ。
簡単なメモを作りながら最後まで読み通したが、やっぱり他の司馬の作品と比べると読むのがしんどかった。
ヴォリュームもあり、決して読みやすい小説ではない。

中国、紀元前200年頃、劉邦がそのライバル項羽と覇権を争い、勝利を得、漢王朝の祖となる過程を描いた歴史物語。
登場人物も多く、知らない地名や古代中国の独特な言葉が多数登場するので、とりあえず、ゆっくりと咀嚼するように読みはじめる。

陳勝と呉広の蜂起をきっかけに、項羽の叔父の項梁は項羽等を引き連れ反秦軍の領袖となる。
しかし、楚の王を擁立するも秦の章邯将軍に敗れてしまう。
その最後は少々、情けない。
あとを継ぐ項羽と劉邦…。
中巻に入り、やっと項羽と劉邦の登場シーンが増えてきた。

著者の視線はいつにもまして主人公の劉邦や項羽からは遠くにあり俯瞰で冷然と描かれている。
そのせいか臨場感に乏しく、ややもすれば歴史の教科書を読んでいるような味気なさがある。
著者は「劉邦には徳はないが、ちょっと類のない可愛げがある」と書いているが、それがどれほどのものなのかよくわからない。
行動にも一貫性がなく、それほど人をひきつける魅力ある人物とも思えない。
ただ自分に素直な極めて人間臭い人物ということはできる。
それにも関わらず臣下がついていくのは不思議。
こういのうのをカリスマというのだろう…

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