川上弘美『古道具 中野商店』
川上弘美『古道具 中野商店』
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川上弘美の『古道具 中野商店』です。
実をいえば…。
というほどのことも、ないのですが川上弘美の小説やエッセーのまったりした癒される感じが好きです。
作品によっては、まったく、まったり感のない湿度の高い小説もありますが…。

で、本作ですが古道具屋が舞台の恋愛小説です。
古道具屋というシチュエーションに村松友視の『時代屋の女房』みたいな小説ならうれしいなと思いながら購入しました。
もちろん『時代屋の女房』とはちがいますが、作品の持つ体温が似たような作品で個人的には好きなタイプの小説でした。
大掛かりな仕掛けは、なにもありません。
毎日の日常がたんたんと綴られています。
というわけで、本作品もまったりしています。

主人公は中野商店という古道具屋(骨董屋ではない)でアルバイトをしているヒトミちゃん。
二十代後半のヒトミちゃんは、同じ古道具屋で働くタケシという年下の男が好きらしい。
登場人物の何気ない仕草や細かな心の機微が女性らしい繊細な視点で描きこまれているので、その光景が目に見えるようです。
古道具屋の店主や、その姉など主人公の周辺を取り巻く登場人物がいい味出しています。

市川準あたりの監督で映画にしたら、いー感じになるのではと思います。
ちなみに使われている文字の書体が、いつもの新潮文庫と違って女性っぽい書体になっていて、ちょっとおしゃれです。
谷崎潤一郎賞受賞を受賞した『センセイの鞄』も、まったりしていて好きだったなぁ…。

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