黒川博行『破門』
黒川博行『破門』
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黒川博行破門』を一気に読了。
本作はつい先日、第151回直木賞を受賞した。
賞をとるだけあって、最近、読んだ小説の中では飛び抜けて面白かった。
タイトルだけ見ると、ちょっと堅い小説なのかと思ったが、まるで正反対のエンターテイメント。
リーダービリティも高く、一気に物語に引き込まれた。

オモロイ! ワロタ!

内容は大阪を舞台にしたヤクザとその世界を描いたピカレスク小説と言ってもよいストーリー。
まぁ、アウトローの話ではあるが、そう下品な小説ではない。

主人公はやくざと建設業の間を取り持つ建設コンサルタントを営む二宮とイケイケのやくざ、桑原。
二宮の、やや、へたれなキャラクター、そして、桑原という強面でクレバーなやくざの他にも個性的な人物が数多く登場。
桑原の所属する組の兄貴分が一山当てようと映画製作の投資詐欺にあい、その金を二人で取り戻そうと奮闘する。
関西弁での二人の掛け合いが、なによりイイ。
やくざの世界のしきたりや大阪という都市に住む雑多な人たちの営みなど、自分の住む場所とは、かけ離れた世界をうかがい知ることができた。
こういう、自分の知らない世界に浸ることができる、ということが小説の醍醐味なのだと思う。

『疫病神シリーズ』第5作

主人公の二宮と彼にとって疫病神のような桑原が登場する作品は『疫病神シリーズ』と言われ、本作はシリーズ第5作らしい。
しかし、この作品は前作を読んでなくても十分楽しむことができるし、前作も読んでみたいと思わせる。
直木賞受賞作だけあって、破たんのない構成とテンポの良い展開、そして大阪弁を駆使したユーモアのある文章で、とても面白く読むことができた。
黒川博行の小説は初めて読むが、他の作品も読んでみたいと思わせる力量と安定感を感じた。

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