横山秀夫『64(ロクヨン)』
横山秀夫『64(ロクヨン)』
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骨太な大人のミステリー

横山秀夫『64(ロクヨン)』である。
『このミステリーがすごい! 2013年国内編 1位』、『2013年 週刊文春ミステリーベスト10 1位』、『2013年本屋大賞 2位』という屈指のミステリー。
昨今のライトノベルまがいの小説ではない大人の警察小説。
最近読んだ日本のミステリーで、こういう骨太の小説に出会ったのは久しぶりのような気がする。
上梓されてから1年を過ぎた作品だが、東京で会った大学の先輩がほめていたので手にとってみた。
読みごたえ十分。
後半は驚愕の展開でページを手繰る手が止まらなくなった。

警察の内情が丹念に描かれる

主人公はD県警という架空の県警の広報官で、元刑事という経験を持つ。
広報官というのは警察を舞台にしたミステリーの主人公として、扱いや展開が難しいそうだなと、思ったが杞憂だった。
主人公一家の娘の家出、記者クラブとの確執、昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件、警察庁長官の訪問、警務部と刑事部の間のエスカレートする
セクショナリズム、そして起こる新たな誘拐事件。
そうした様々な緊迫した状況が主人公を追い詰めていく。
この困難に主人公は、どのように向き合っていくのか。
こうしたところが、この物語の一番の読みどころなのだろう。
最後に、主人公の家族の問題が解決しなかったのは残念。

作者は上毛新聞社という群馬県の新聞社で12年間記者として勤務するという経歴を持つ。
そのためか、警察の内情や組織のデテール、警察官という人たちの物の見方が事細かに描かれている。
警察官や新聞記者はこの小説読んで、どういう思いを抱くのか聞いてみたい気がする。

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