森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』
森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』
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モリミーといわれる森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』です。
2010年の「日本SF大賞」受賞作。
とはいえ、本作をSFといってしまうのはどうなのか、ちょと迷うところ。
どちらかといえば、ファンタジーではないのかなと思う。
著者の『夜は短し歩けよ乙女』や『有頂天家族』といった京都を舞台にした物語とは一線を画した作風。

主人公はおっぱいが好きで少しばかり哲学者めいた小学四年生の男子、アオヤマ君。
おっぱいが好きというあたりは『夜は短し歩けよ乙女』に通ずるところがあるような気もするが…。
子どもやチェスが出てくる感じは小川洋子、不思議なペンギンや得体の知れない生物が登場するあたりは村上春樹を思わせる。

中にアオヤマ君の妹が「いつか、お母さんが死んじゃう」と泣き出すシーンがある。
そういえば自分にも幼い頃、曾祖母が亡くなったことをきっかけに、死というものに対して異常なほどナーヴァスになった時期があったことが思い出された。

小学四年生がこの小説を読むのは難しいと思うが、もし読める子がいたらなアオヤマ君やハマモトさんのような子に憧れを持つんじゃないだろうか? 
物語はアオヤマ君が謎を解き明かすことで、大事なものを失うという結末を迎える。

少々、切ないけど…。
童話のようだね。
装丁もかわいい。
いい小説だ。

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