『凍』沢木耕太郎
沢木耕太郎『凍』
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沢木耕太郎の『凍(とう)』である。
世界的なクライマーの山野井泰史と妻の妙子を描いたノンフィクション。
2002年の秋、登山家の山野井泰史と妻の妙子はネパールとチベット国境にそびえるギャチュンカンの登攀にチャレンジした。
ギャチュンカンは標高7,952メートルの難峰で山野井夫妻はアルパインスタイルという酸素ボンベを使わずにイッキに山頂まで登攀する方法で挑んだ。
泰史は単独で登頂を果たしたが、二人は下山途中で発生した雪崩や悪天候のためほぼ遭難ともいえるような状況に陥った。
そうした壮絶な状況から帰還した二人の登山家の記録である。
本作を読むと著者の沢木耕太郎と山野井夫妻の取材する側とされる側といった関係を越えた、友情に近いものを感じる。
こういうのを読むと、もう、かなわないなぁと思う…。

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