篠田節子の『Xωρα(ホーラ) -死都-』です。
この作家は好きな作家の一人で結構、読んでいます。
自分の中での著者のイメージは「手堅くて、はずれが少ない」という感じでしょうか?
しかしながら、この作品に関してはもう一つ乗り切れませんでした。
二日酔いの頭で読んだせいかも…。
この小説のコピーにゴシック・ホラーとありましたが、ホラー小説とも恋愛小説ともとれる小説です。
自分の印象としては恋愛小説としてのウェイトのほうが大きいような気もします。
舞台はギリシャの離れ小島。それぞれが家庭を持つ40代のバイオリニストとやり手の建築家の不倫旅行。
主人公のバイオリニストはその旅行で不倫相手の建築家からバイオリンをプレゼントしてもらう。
宿屋の老婆からは「そのバイオリンは悪魔に呪われている」と聞かされる。
島にあるホーラといわれる都市の廃墟を訪れたときにはバイオリニストの両手からは怪我もしていないのに血が流れるスティグマ(聖痕)といわれる現象が起こる。
次々と起こる怪奇な現象。
不倫という不道徳な行いに対する神の怒りなのか?
タイトルの期待のさせ方からいうと、やや期待はずれか。
内容が少しばかり浅いかも
Xωρα(ホーラ)とはギリシャ語で「その場所の中心」といった意味だそうです。