誉田哲也のミステリー小説『ブルーマーダー』である。
テレビドラマや映画にもなった人気の姫川玲子シリーズ第6作。
ドラマも映画も観ていないにもかかわらず、主人公の姫川玲子を演じた竹内結子、菊田という玲子の部下を演じた西島秀俊の面影が読んでいて頭の中にちらつく。
そういう意味では、キャスティングはよかったのだろう。
安定した面白さだけど、だいぶ昔に読んだ『ストロベーリーナイト』や『ソウルケイジ』に比べれば、もう一つ。
期待値が高いために、辛めの印象になってしまうのだろうか。
と言っても、シリーズでは、この2作以外は読んでいないのですが…。
誤解を恐れずに言うならばシリーズに共通する犯人の狂気? が、もう一つ足りない気がする。
確かに犯人が、人間を殺害して文字通り丸めてしまうなんていうシーンは狂気も十分だしスプラッター感もありありだが、いくら骨や関節を砕いてもそんな風に丸めるのは、かなり困難じゃないかと思うのだが…。
また、主人公、姫川玲子の恋愛模様的な部分も新しい展開がなくもう一つ物足りない。
ネットではシリーズ中の『インビジブルレイン』という作品が、最高傑作という噂なので、そのうち読んでみよう。