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マーティン・ブースの『暗闇の蝶』です。
一風変わった大人のミステリー。

舞台はイタリア中部の小さな田舎町。
主人公は表向きは蝶を描くために引っ越してきた画家。
しかし、本職は裏社会から高い技術で信頼を得ている職人。
彼は住処を転々としながらプロフェッショナルの暗殺者からの依頼を受け、用途に合った銃や弾を調整したり製作して提供している。
つまり、命中精度を上げたり、発射音を小さくしたり、殺傷力を高めたりしてるわけです。
こうした緊張感のある生活にも疲れて、そろそろ、足を洗ってこのイタリアの小さな町で余生を送ろうと考える。
しかし、隠棲して、静かに暮らそうと思っても、これまで生きてきた世界が許してくれないわけです。
つまり、いつのまにか自分がターゲットになってしまうのですね…。

派手なアクションもスピーディーな展開もなく、ミステリーとしては、かなり変わったタイプ。
物語ではイタリアの田舎町で過ごす暮らしぶりが、生き生きと語られている。
また、食や銃器に関する薀蓄が散りばめられていて、マニアックな興味をくすぐる。
読み進めているうちに、ピーター・メイルの『南プロバンスの12か月』でも読んでいるのかと勘違いしてしまいそうだ。
よく言えば熟成されたヴィンテージワインのような上質な味わいがある。
別の言い方をするなら、少々カッタルイ。

まぁ、でも悪くはないし、自分は好きだ。

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