久坂部羊『破裂』
久坂部羊『破裂』
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久坂部羊の『破裂』である。
いわゆる医療ミステリー。
文章も読みやすく、エンターテイメント性もあり読み応えは十分。
とはいえ、高齢化社会や医療裁判、尊厳死、医大のシステムといった多くの社会問題を読者に投げかける。
今の超高齢化といわれる日本の現実を思うとある意味、非常に示唆に富んだ、ちょっと怖い小説である。

映画監督で、自ら医大出身の大森一樹がオビに「白い巨塔+仁義なき戦い」と書いていたが、国家が統制する人口問題をメインテーマに『白い巨塔』のストーリーを絡めたという感じでしょうか。
著者は大阪大学医学部出身の現役医師だけあってリアリティは抜群。
よくできた小説ですが最後がなんとなく、だらだらと終わってしまったのが残念。

ちなみに、この小説の一節に「日本に寝たきり老人が多いのはねぇ、日本人の心臓が強いからですよ。アメリカやヨーロッパは逆なんですよ。ヤツらは寝たきりになる前に、心臓発作でどんどん死にますからな。介護負担もそれほど増えないんです。」というところがある。
この小説のカギとなるセリフですね。

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