中沢新一の『アースダイバー』です。
その、タイトルから解釈するならば、その土地や町を地理や地学的な目でもってダイバーのようにその深みへ歴史をさかのぼっていく。
すると、見えてくるモノが現れる。
要はそんな、かんじなのでしょうか?
この本を読むと東京という都市は縄文時代のある時期、陸地はかなりの部分を海に侵食されていたらしい。
そしてこの地形に縄文時代から弥生時代の遺跡や古くからの神社、寺院を重ねていくとちょうど岬や半島の先端にそうした遺跡や神社仏閣が多くみられるという。
お寺や神社は、古くからその土地のランドマーク的な存在だった。
都市開発の話があっても神社仏閣を移転させるのは、今もってなかなか大変そうだ。
故に、その場所だけ歴史に取り残された土地となる。
そうした場所を俯瞰してみれば、何か新しい発見があるかもしれない。
この本に感化されて山形市の古い地図を眺めてみた。
それを見ると馬見ヶ崎川は現在とは異なりちょうど、緑町の専称寺の北側から文翔館の前を通り錦町の神明神社のすぐ裏を流れ、下条の五叉路方面へ下るコースをたどっていたようだ。
ということは馬見ヶ崎川は現在のように須川と合流していたの?
もしかして貴船川とつながっていた?
んー、よくわからないので調べてみよう!
著者の中沢新一は宗教学者で思想家。
自分が学生の頃は浅田彰あたりとニューアカデミズムといわれた人文・社会科学ブームの一翼を担っていた。
当時、彼の『チベットのモーツァルト』とか読んではみたが、よくわからなかったなぁ。
でも、なんか、みんな読んでいた。
蛇足ながら、歴史学者の網野善彦は中沢の叔父にあたり、タイトルもズバリ『僕の叔父さん 網野善彦』という本も書いている。