藤沢周平の傑作、『用心棒日月抄』である。 お盆の休日、本当は違う小説を読んでいたのだが、目に留まった本書をパラパラ捲っていたらやめられなくなってしまった。 数年ぶりではあるが、これで、三度目の再読である。 案の定、こうなることは分かっていた。 自分にとっては池波正太郎の『剣客商売』に並ぶかっぱえびせん本である。 主人公...
藤沢周平の記事一覧
藤沢周平の『よろずや平四郎活人剣』です。 十数年前に読んで以来、本作を読むのは二度目。 ずーっと、また読みたいなぁと思っていた。 連作の短編集で結構、長い作品だが今回も面白く読むことができた。 娯楽時代劇という言葉がこれほどピッタリな小説はないのではなかろうか。 まず、詩情がありユーモアがある。 そしてラブストーリーも...
午前中から一日、藤沢周平『ささやく河―彫師伊之助捕物覚え』を読んで過ごす。 思いのほか、ページ数も多く夕方までかかってしまった。 元岡っ引きで、浮世絵の版木彫り職人を生業にしている主人公、伊之助が活躍...
この春に出来たばかりの鶴岡市立藤沢周平記念館に行ってみる。 開館したというニュースを聞いたときから「行かなくちゃ」と思っていた。 場所は鶴岡市のほぼ中心部、彼が描く小説に登場する海坂藩のモデルとなった庄内藩のお城の跡地、鶴岡公園にある。 建物の設計は鶴岡の隣町の酒田市にある東北公益文科大学大学院教授の高谷時彦。 訪ねた...