ミステリー奥田英朗 『オリンピックの身代金』奥田英朗 奥田英朗の『オリンピックの身代金』です。 2009年の第43回吉川英治文学賞を受賞した社会派ミステリー。 2段組みで500ページを超えるという大作。 本作の前に読み終えたのが、奥田英朗の『罪の轍』。 『罪の轍』を読み終えて、これは傑作だと感激してるうちに、以前購入した『オリンピックの身代金』がどっかに積読になってるはず... 2020年5月9日 十六夜亭
ミステリー傑作奥田英朗 『罪の轍』奥田英朗 奥田英朗の『罪の轍(わだち)』です。 多くの警察モノのミステリーを読みましたが、これはまぎれもない傑作。 おススメです。 これまでも著者の小説は、ずいぶん読んでいますが、読むたびに「上手いなぁ」と思います。 ちなみに、本書のモチーフとなっているのは1963年に東京都台東区で実際に起こった「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐殺人... 2020年5月5日 十六夜亭
小説翻訳 『ペスト』カミュ アルベール・カミュの『ペスト』です。 翻訳は宮崎嶺雄。 「新潮文庫の100冊」という夏のキャンペーンに乗せられて「きょう、ママンが死んだ。」で知られる『異邦人』は高校生のころ読んだ。 カミュとかは、十代の頃に読むものだといった感覚が自分にはあったが、まさか、この年齢でカミュの『ペスト』を読むとは先週までは思わなかった。... 2020年4月5日 十六夜亭
小説 『まほり』高田大介 高田大介の『まほり』です。 民俗学をモチーフとしたアカデミックな香りがする伝奇小説。 以前、新聞の書評で取り上げられていて「読んでみたいなぁ」と…。 その記憶が頭の片隅にあり、行きつけの図書館で見つけたときはラッキーといった感じで、さっそく借りました。 読み始めようとしたところで、タイトルの「まほり」とは、いったいなん... 2020年2月11日 十六夜亭
小説直木賞 『宝島』真藤順丈 真藤順丈(しんどう じゅんじょう)の『宝島』です。 2018年に山田風太郎賞、2019年に第160回直木三十五賞を受賞しました。 書き出しから飛ばしてるなぁという風で、すごく、エネルギッシュ。 熱量の高い小説です。 文章も饒舌で濃密。 直木賞を受賞しているのでエンターテイメントなのかもしれませんが純文学ともいえるような... 2020年2月5日 十六夜亭
ミステリー黒川博行 『泥濘』黒川博行 黒川博行の『泥濘(ぬかるみ)』です。 建設コンサルタントの二宮とやくざの桑原コンビが活躍? するバディもののミステリー「疫病神シリーズ」の第7弾。 久しぶりに読む黒川作品です。 主人公の二宮は建設コンサルタント。 その相方、桑原は二蝶会というヤクザの組の若頭補佐。 二人の漫才のような丁々発止の掛け合いは相変わらず面白い... 2019年12月25日 十六夜亭
歴史・時代小説傑作 『樅ノ木は残った』山本周五郎 山本周五郎の『樅ノ木(もみのき)は残った』です。 この年齢になるまで、本作を読んでいなかったというのは不覚でした。 こんな、すごい小説を見逃していたのかと…。 微に入り細を穿つような人物模写。 一編の小説ではあるが、伊達藩の殿様、藩士から浪人、山中に住む猟師、そして、様々な階層の女たちが登場して一つのストーリーを軸とし... 2019年12月9日 十六夜亭
SF翻訳 『三体』劉慈欣(リウ・ツーシン) 劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)の『三体』です。 翻訳は大森望、光吉さくら、ワン チャイ。 そして、監修が立原透耶。 翻訳者3人、ほかに監修がいるってすごいね! 今年の夏ぐらいから話題になっていて、こりゃあ、読んでみた方がイイかなと思って手に取ってみたわけです。 作者の劉慈欣は1963年生まれの中国のSF作家。... 2019年11月24日 十六夜亭
小説吉田修一 『続 横道世之介』吉田修一 吉田修一の『続 横道世之介』です。 “続”というからには、当然、前作がある。 前作を読んだのはもう、10年近くも前。 その時の印象は「いい小説だったなぁ」と、未だ鮮烈なものとして自分の記憶には残っている。 2001年に山手線の新大久保駅でホームから落ちた男性を助けようとして日本人カメラマンと韓国人留学生の三人が亡くなる... 2019年10月13日 十六夜亭
小説 『K2 復活のソロ』笹本稜平 笹本稜平の『K2 復活のソロ』です。 最近では作者の笹本稜平は山岳小説の第一人者といった感がありますね。 そんなわけで、山岳小説好きの自分は、つい、彼の小説は手に取ってしまいます。 山登りのエキスパートたちは本作を読んで、どんな感想を持つのか知りたいところですが、里山専門の自分は、結構、面白く読むことができました。 タ... 2019年9月22日 十六夜亭
ミステリー傑作翻訳 『古書の来歴』ジェラルディン・ブルックス ジェラルディン・ブルックスの『古書の来歴』です。 翻訳は森嶋マリ。 「いくつになっても、知らない世界を見たり聞いたりして新しい知識を得るというのはうれしいものだ」と思わせるような、そんな知的な興奮が沸き立つ小説である。 最初の数ページを読んで、これはアタリだと感じた。 本書は「サラエボハガター」といわれる、実在する14... 2019年8月12日 十六夜亭
ファンタジー上橋菜穂子 『鹿の王 水底の橋』上橋菜穂子 上橋菜穂子の『鹿の王 水底の橋』である。 前作の『鹿の王』は先月、読んだばかりだった。 そうしたこともあり、続編の本作がこの4月に出たことを知り「読みたいなぁ」と…。 そんな風に思っていたところ、いつも行く図書館で偶然、目に入ったので速攻で借りる。 本作では前作で主人公を演じた戦士のヴァンは登場しない。 主人公は前作で... 2019年7月11日 十六夜亭
小説 『夢見る帝国図書館』中島京子 中島京子の『夢見る帝国図書館』である。 本読みといわれる種族にとっては、なんとも愛おしい小説だ。 中心に据えられているのは東京の上野に日本で最初に造られた国立図書館である帝国図書館。 昔は通称「上野図書館」と呼ばれていたが、現在は「国立国会図書館国際子ども図書館」と名前を変え児童書専門の図書館になっている。 物語は主人... 2019年6月30日 十六夜亭