デイヴィッド・ゴードンの『二流小説家』である。 2012年の「このミステリーがすごい! 」(宝島社)、「ミステリが読みたい! 」(早川書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)で1位になったことや、日本では上川隆也が主演で映画化されたこともあり、ずっと気にはなっていたのだが、近所の図書館に出掛けたら、たまたま...
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司馬遼太郎の『項羽と劉邦』である。むかし途中まで読んで、なかなか乗りきれずフェードアウトしてしまったので、再チャレンジ。簡単なメモを作りながら最後まで読み通したが、やっぱり他の司馬の作品と比べると...
高野和明の『ジェノサイド』である。 なかなか文庫化もされず、ずっと図書館で探していたので県立図書館でたまたま見つけたときはラッキーと思った。 2012年本屋大賞2位。 第2回山田風太郎賞、第65回日本...
ドン・ウインズロウの『サトリ』である。現在、ミステリー界では高い人気、実力を持つ。以前、読んだ『犬の力』は傑作だったが、それとはだいぶ雰囲気が異なる。これには理由があって『サトリ』は他人の作家が書いた...
ずいぶん昔に買ってそのまま、積読になっていた。風呂に入って読むのに手ごろなものが見当たらなかったので、たまたま視界に入った文庫本を「薄いし短編だし、いいかな」と思い風呂場に持ち込む。この文庫本には「パ...
モリミーといわれる森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』です。2010年の「日本SF大賞」受賞作。とはいえ、本作をSFといってしまうのはどうなのか、ちょと迷うところ。どちらかといえば、ファンタジーではないのか...
シャンタラム - 人生を変える一冊に値する グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツの『シャンタラム』である。 翻訳は田口俊樹。 今年、読んだベストワンかもしれない。 いやいや、今年読んだどころか、これまでの人生の中で読んだ本のなかでも屈指の傑作である。 まったく、たいした小説があったものである。 少々、お金はかかるが、一読...
三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』である。 本作は第135回直木賞を受賞。 一言でいうならオフビートな男二人の友情物語である。 舞台はまほろ市という東京の町田市をモデルにした街。 駅前で便利屋を営む多田とそこに居候を決め込む高校時代の同級生、行天(珍しい苗字)。 便利屋に舞い込む様々な依頼から物語は展開。 狙っている...
最近、いいなと思う作家の一人が中島京子です。 日常の何気ないことを、過不足のない文章でさらりと描いているのですが職人的なうまさを感じます。 物語の舞台は戦前から戦後にかけての東京の山の手にあるお洒落な...
ドン・ウィンズロウの『犬の力』である。 2010年の『このミステリーがすごい!』海外編の1位となった骨太のミステリー。 「ミステリーの賞もとってるし、一応、読んどいたほうがイイかな」という軽い気分で手に取っ...
マーティン・ブースの『暗闇の蝶』です。 一風変わった大人のミステリー。 翻訳は松本剛史。 舞台はイタリア中部の小さな田舎町。 主人公は表向きは蝶を描くために引っ越してきた画家。 しかし、本職は裏社会から高い技術で信頼を得ている職人。 彼は住処を転々としながらプロフェッショナルの暗殺者からの依頼を受け、用途に合った銃や弾...
藤谷治の『船に乗れ!』です。 全3巻と結構なボリュームですが、引き込まれるように読み終えてしまった。 そして「クラシックをやる高校生というのはなかなか小生意気な生き物なのですなぁ」と、その昔、凡庸な高校時代を送ったオジサンは思うのでした…。 天真爛漫な青春小説と思ったけど、1、2巻を読み終え、まさか、こんなへヴィーな展...