名作の誉れ高いグレアム・グリーンの『ヒューマン・ファクター』である。 11月の雨のハイドパークのように静かな小説だ(行ったことないけど)。 ジョン・ル・カレのスパイ小説も静かだが、それの兄貴分といった...
十六夜亭
いずれの記事も、きわめて個人的かつ主観的な内容です。
軽慮浅謀、無知蒙昧、優柔不断、短慮軽率、独断専行、妄評多罪のこと、お許しください。
まぁ、ゆるーく読んでいただければありがたいです。
ハイ。
十六夜亭の記事一覧
午前中から一日、藤沢周平『ささやく河―彫師伊之助捕物覚え』を読んで過ごす。 思いのほか、ページ数も多く夕方までかかってしまった。 元岡っ引きで、浮世絵の版木彫り職人を生業にしている主人公、伊之助が活躍...
ピエール・ルメートルの『その女アレックス』である。「週刊文春2014年ミステリーベスト10」1位、「ミステリが読みたい!」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位に...
さて司馬遼太郎の『菜の花の沖』である。 全6巻にわたる、この大作は江戸時代の後期、北前船の船頭であり廻船商人である高田屋嘉兵衛を主人公とした一代記であり、北方開拓や当時のロシアと幕府の関係を描いた歴史...
川内有緒という30代、女性フリーライターの手による『パリの国連で夢を食う。』というエッセーである。 これが面白かった。 著者は日大芸術学部出身でアメリカのジョージタウン大学に留学、その後、アメリカのコ...
著、編は岩手県知事を3期務め、その後、総務大臣に就任した経歴を持つ増田寛也。 この本のベースになったのは政策提言機関である「日本創成制会議」のもとに「人口減少問題検討分科会」が2014年5月に発表した...
誉田哲也のミステリー小説「ブルーマーダー」である。 テレビドラマや映画にもなった人気の姫川玲子シリーズ第6作。 ドラマも映画も観ていないにもかかわらず、主人公の姫川玲子を演じた竹内結子、菊田という玲子...
久しぶりに読む村上春樹の短編集である。 タイトルは『女のいない男たち』。 初期の短編のような余白をイメージさせるスカスカな感じがなく(このあたりが、心地よかった)、密度が濃い文章はポップさが影を潜めた...
黒川博行の『螻蛄(けら)』である。 先月読んだ『破門』が面白かったのがきっかけで、最近は黒川博行づいている。 今回の作品も、安定した面白さ。 『破門』同様、疫病神シリーズといわれる作品で、これは第4弾になる。 シリーズにはなっているが、この作品も一冊で完結の内容になっているので前作を読んでなくても問題なく読める。 自称...
黒川博行の『離れ折紙』である。 先月読んだ『破門』という小説が面白かったので、つい、また同じ著者の小説を読んでしまった。 今回のは、人間の欲望渦巻く美術界を舞台にした6編の短編集。 各々の短編はアールヌーヴォーの工芸から、日本刀、浮世絵、日本画など話の中心となる美術品は異なるが、登場人物や舞台が一部重なっているところが...
門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』である。 福島の原発事故関連の本は他にもいくつか読んでみたが、吉田所長を始め、事故当時、原発で働いていた人間たちにスポットライトを当てたノンフィクションは他には、あまりないのではなかろうか? 当時、彼らは危機的な状況でも現場に残り、事故の収束に向けて尽力した...
福岡伸一と阿川佐和子の対談集、『センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~』です。 福岡伸一と阿川佐和子という組み合わせにやや唐突な感じを受けたが、硬軟おりまぜた、なかなか、よい対談集だ。 全体に福岡伸一がこれまで書いた本のおさらいと言った感じがしないでもないが、中学生や高校生が手にするにはオススメ...