恩田陸の『蜜蜂と遠雷』である。 結構なヴォリュームの作品だがぐいぐいと一気に読んでしまった。 こんなに、作品に引き込まれて読んでしまったのは久しぶりである。 場面への導き方が抜群に上手い。 こんなに上手いと著者自身の手のひらで踊らされている感がして自己嫌悪に陥る、そこがいやになる。 物語は吉ケ江国際ピアノコンクールとい...
十六夜亭
いずれの記事も、きわめて個人的かつ主観的な内容です。
軽慮浅謀、無知蒙昧、優柔不断、短慮軽率、独断専行、妄評多罪のこと、お許しください。
まぁ、ゆるーく読んでいただければありがたいです。
ハイ。
十六夜亭の記事一覧
図書館の玄関を出て道路を挟んだ向かい側に目を向けると「紅花書房」という看板があるではないか。むかし紅花書房という古書店が馬見ヶ崎川の近くの住宅街にあり、店舗ではなく自宅で営業しているという噂は...
垣根涼介の『月は怒らない』である。著者の作品は何冊か読んでいるが、いずれもエネルギッシュでパワフルなミステリーというイメージがある。しかし、本作はそうした男っぽいイメージとは一線を画する。本書の紹介に垣根ワールドの新境地といった...
佐藤正午の『月の満ち欠け』である。2017年の第157回直木賞受賞作。昨年、読んだ著者の『鳩の撃退法』という小説が妙に印象に残っていたところに、本作で直木賞を受賞したとのニュース。...
遠田潤子の『雪の鉄樹』です。 帯の「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン第1位」という惹句にそそられて七日町の八文字屋で昨年の30日に購入。 全体に主人公の心情を描き込み過ぎてる感があって、もう一...
村田沙耶香の『コンビニ人間』である。 本作は2016年に第155回芥川龍之介賞を受賞。 という訳で昨年の作品ではあるが、いまさらながらという感じで読んでみた。 ボリュームの薄さと軽い文体で読みやすいの...
高野秀行・清水克行の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』である。 世界の辺境を旅するノンフィクションライターと室町時代を研究する学者の二人による対談集。 高野秀行は早稲田大学の...
窪美澄の『晴天の迷いクジラ』である。 まぁ、いろいろと悩むことの多い時代である。 大人は大人なりに。 若者は若者なりに。 そして、こどもはこどもなりに…。 そうした悩み多き、現代という「今」の時代性を...
篠田節子の『インドクリスタル』である。 上下二段組みで500ページを越える大作。 著者は様々なジャンルのエンターテイメント作品を手がけているが、一般にはホラー、SF、推理小説の作家として知られているの...
村上春樹の『騎士団長殺し』である。 作品は「第1部 顕れるイデア編」と「第2部 遷ろうメタファー編」の2巻で構成される。 読みごたえはあった。 途中で、飽きるということもなかった。 というか「なかなか...
原田マハの『暗幕のゲルニカ』である。 一言でいうならピカソが描いた「ゲルニカ」という絵画の意味合いや背景がよくわかる小説である。 現代と「ゲルニカ」の時代が描かれる小説 物語は旅客機がニューヨークのワ...
柚月裕子の『孤狼の血』である。 昨年の第69回日本推理作家協会賞受賞作。 読み始めて最初の印象は、こなれていないという感じだろうか? 文章に「遊び」がない。 カッチリしているといってもいい。 ちょっと...