寺山修司記念館を観る
寺山修司記念館
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「象の檻」を横目に寺山修司記念館へ向かう

米軍の通信施設「象の檻」:寺山修司記念館を観る
米軍の通信施設「象の檻」

十和田市現代美術館を1時間ほど観た後、三沢市にある寺山修司記念館へ向かう。
丘が連なり畑になっている風景は北海道の風景と似ている。
柿沼という沼を北上する途中、向こう岸には通称「象の檻」といわれるアンテナが見えた。
これは米軍の通信施設で日本の周辺国の通信の傍受を行っているものらしい。

ガウディの建物のよう

周辺は原野:寺山修司記念館を観る
周辺は原野
ガウディか…:寺山修司記念館を観る
ガウディか…

静かな林の中の道を走り、記念館へ到着したのは10時過ぎ。
寺山修司記念館は三沢市民の森という小川原湖の湖畔にひっそりと建っている。
辺りは林に包まれた、本当に「ひっそりと」という言葉が似合いすぎるぐらい静かな空間。
人の姿はなく小さめの駐車場にはクルマが4、5台、止まっている。
目を引くのはガウディの建築物のような装飾を施した建物と野外劇場。

入り口のドア:寺山修司記念館を観る
入り口のドア
観光地の定番:寺山修司記念館を観る
観光地の定番

入館料500円を小学校の用務員のようなオジサンに支払い入館する。
すると、寺山らしい異空間が広がる。
薄暗い展示室には、たくさんの同じかたちの机が整然と配置してある。
机の引き出しを開けるとそこには寺山の原稿や彼にまつわる資料が活躍した年代やジャンルごとにディスプレイ。
それぞれの机の上には懐中電灯が置いてあり薄暗い引き出しの中を、その懐中電灯で照らしながら見学するという演出になってる。
寺山が主催した劇団の天井桟敷は一度も観たことがないが、大学生時代に観た映画「田園に死す」、「書を捨てよ町へ出よう」、「さらば箱舟」は新鮮で、とても刺激的だった。

短歌の径(こみち)

指先が方向を案内:寺山修司記念館を観る
指先が方向を案内
短歌の径(こみち):寺山修司記念館を観る
短歌の径(こみち)

建物の裏手には松林が広がり木々の間を縫うように小道が続いている。
歩いていくと所々に寺山の短歌の記した杭がある。
案内に沿って10分ほども歩くと見晴らしのよい開けた場所に寺山の歌碑が見えてくる。

立派な歌碑:寺山修司記念館を観る
立派な歌碑
ブロンズの犬が佇む:寺山修司記念館を観る
ブロンズの犬が佇む

本を模して造られたブロンズの歌碑には寺山の短歌が三首、刻まれている。

  • 君のため一の声とわれならん失いし日を歌わんために
  • 一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれの処女地と呼びき
  • マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

思えば、寺山修司は天才だった。
彼が亡くなって二十数年が経つが、彼の抜けた席を埋める芸術家が現れていないのは残念なことである。
改めて彼の映画を観てみようかと思った。
帰りにミュージアムショップで天井桟敷の芝居の64枚のポスターを並べて1枚のポスターにしたものを購入。
ということで、次の目的地の「青森県立三沢航空科学館」へと向かう。

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